「もう一年経つんだけど、いまだに本っ当にごめんなさいという気持ちでいっぱいなんだよね…」。
最近、ある飼主さんから聞いた言葉です。
一年前に、高齢のペットを看護の末、看取られました。
飼主さんたちからよく聞かれる言葉が、「ごめんね」と「ありがとう」です。
〇〇してあげられなくて、ごめんね
もっと〇〇すればよかったね、ごめんね
もし、〇〇していればきっとこんなことにならなかったよね、ごめんね
ペットを亡くした飼主さんの言葉からは悲痛な思いが伝わってきて、胸が痛みます。
自分がもっとがんばれば、ペットはもう少し命を永らえることができたのではないか…
そんなふうに自分を責めてしまうこともあります。
さまざまな後悔の念や罪悪感が、「ごめんね」という言葉に凝縮されているように思います。
ペットを大切に思うがゆえに、「もっと何かしてあげられたのではないか」という気持ちが先立ち、「ごめんね」とまず思ってしまう飼主さんは多いのではないでしょうか。
一方で、自分と一緒にいてくれたこと、楽しい時間を共に過ごせたこと、つらい時の心の支えになってくれたことなど、たくさんの「ありがとう」もペットに伝えたい大きな気持ちのひとつですね。
必要な時間はおひとりおひとりで異なりますが、少し気持ちが落ち着いたり、整理できてきたりすると、悲しみや後悔は消えなくとも、楽しかった思い出や一緒に過ごした時に感じた幸せな気持ちをこれからも大切にしていきたい、という思いが少しづつ強くなっていくように感じます。
飼主さんが心の中で亡きペットに話しかける時、悲しいながらも穏やかな気持ちで「ありがとうね」と伝えられる日が来るといいなと願っています。
(N)